会計士の気まぐれ日記

ビジネスに関する有益な情報をお届けします。たまにただ思ったことや感じたことを書きます。

過労死について考える

先日、電通の社員の方が過労でお亡くなりになられたとの報道があり、至るところで長時間労働の是非が議論されています。高給だからといって、命をなくしてしまっては何も意味がない。今日は、こういった過労死を起こすような会社の根本的な問題について論じていきたいと思います。

 

 

まず、今回の事件の問題点をまとめてみます。

 

 

・残業時間が100時間を悠に上回っていた

・にもかかわらず、基本給の1.5倍程度しか給料が支給されなかった

・「お前の残業は会社にとって無駄」等の深刻なパワハラがあった

 

 

サブロク協定で残業時間に対する管理が厳しくなったものの、実質的に残業時間が100時間を超えてしまっている会社は意外とあると思います。高給を獲得することができるようなハードワークな会社では特に。

しかし、今回の事件においては、残業時間が140時間〜180時間、もしかしたらそれ以上の残業時間があったのかと思います。報道によると、朝の5時くらいに「やっと帰る」とツイートされていたりしたそうです。

 

 

まあ、何としても期限内に成果物を納品しなければならない仕事をしている人は、こういう感じで徹夜したりすることもあるでしょう。知り合いのコンサル会社に勤めていた人は、2日に1回くらい徹夜があったからすぐにやめたと言っていました。

 

 

こういう会社へ就職する人は、ハードワークであることが分かっていながら、それでも自分のやりたいことがあったり、高い給料に憧れたりして就職します。

じゃあ、自分が行きたくてハードワークな会社を選んだんだから、多少忙しくともそれは自分の責任だろう、という声が出てくるかと思います。でも、本当に全て本人のせいなのでしょうか?

 

 

僕はそうは思いません。なぜなら、日本の会社は特に、やめるのが悪という風習があるからです。忙しくて早く辞めたいと一度は思っても、なかなか会社の人に言い出せない。上司はやめるなよというプレッシャーを出してくる場合もあるし、なんとなくやめる人が悪者扱いされる雰囲気があるから、なかなか辞めると言いづらい。そういって、辞職をできないまま我慢できずに死んでしまう人が出る。

勘違いしていただきたくないのですが、全ての会社に対して「いつ誰がやめても自由」という環境を作れと提案する気はありません。そんな環境を作ってしまうと、人手不足で困る会社も必ず増えるからです。

つまり僕が言いたいのは、「ハードワークを強いる会社」は、いつでもやめられる様な雰囲気を作っていくべきということです。

 

 

夜の8時とか9時くらいまでの残業であれば、健康な若い人なら基本的に問題ないのですが、これが深夜の1時や2時を回るようになってくるのであれば、話は変わってくる。誰しも同じ人間です。やっぱり、急に3時間睡眠を1ヶ月ぶっ続けでやろうと思ったらほとんど絶対体はおかしくなってきますよ。これに耐えることができる精神力と体力を備えている人なら問題ないと思うのですが、誰もがそうかって言われたらそんなわけはありません。

なので、そういった場合に辞めたり、もう少し負担が軽い部署へ異動したりするのをもっと簡単にできるような環境作りをしていくべきだと思います。

 

 

今回の事件でもパワハラが横行していたそうですが、そういうパワハラは余計に恐怖心を植え付けて、やめるとかが言い出しにくくなってしまいます。なので、冗談でもパワハラまがいなことはしてはいけません。

ただ、職場でやめにくい雰囲気があってやめられない場合はその会社の責任だと思いますが、仮に高い給料を手放すのが嫌だったり、次の転職が不安だったりといった理由で、自分の体力が限界とわかっていながら働き続けるのは、当人にも責任があると思いますが。

 

 

とにかく、こういった過労死が、根本的に会社の職場環境の問題であることは間違いありません。しかし、自分の身を守るのは自分。やっぱり、そういった環境でも辞めると言う勇気はある程度必要だと思います。

 

 

やめると言ったらあの人に嫌われそうとか、そういった心配を持つ必要なんて全くない。

もちろん、お世話になった人や恩を仇で返す様なことはしてはいけません。でも、自分の人生です。他人に嫌われたくないがために、本当はしたくもない仕事を続けるのは完全に馬鹿げています。

 

 

本来人間は、思いっきり楽しみ、幸せな時間を過ごすために生きています。そして、そういう時間を作るために努力をするのです。つまり本来は

 

必死に頑張って努力する→その褒美として、旅行等最高に楽しくて幸せな時間を過ごす

 

という流れであるべきなのに、

 

必死に頑張って努力する→また努力する→楽しい時間を持つ間もなく、苦行の連続

 

となってしまってはいけないのです。

少しでも、将来いいことがあるかどうかもわからないまま自分を押し殺して苦行に耐えているのなら、今すぐにでも環境を帰る勇気を持つことが大切です。

 

 

 

まとめると、過労死をなくすために言えることは2つ。

 

①もしあなたが組織を作る立場なら、その組織から出ることを禁じるような雰囲気は絶対に作らない

②もしあなたが組織に従事している立場で、もうこんな環境では限界だと思ったら、辞めるという勇気を持つ

 

ということです。

 

 

最後に、僕の大好きなスティーブ・ジョブズスタンフォード大学卒業式スピーチでの名言のひとつを紹介して終わります。

 

Your time is limited.

So don't waste it living someonelse's life. 

Don't be trapped by dogma, which is living with the results of other people's thinking.

Don't let the noise other's opinion drawned out your own inner voice.

And most important, have the courage to follow your heart and intuition.

They somehow already know what you truely want to become.

Everithingelse is secondary.

 

あなたの時間は限られている。

だから他人の人生に生きるなどをして無駄に過ごしてはいけない。

他人の考えた結果で生きているドグマ(教義、常識、既存の理論)にとらわれるな。

雑音、つまりあなたの内なる声をかき消すような他人の意見に身をまかせるな。

そして最も重要なのは、自分の心と直感に追従する勇気を持ちなさい。

自分の心と直感は、どういうわけかあなたが本当になりたいものをすでに知っているのだから。

それ以外のことは、全部二の次の意味しかない。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。