会計士の気まぐれ日記

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安保について

 安全保障関連法案、いわゆる安保が成立に迫っています。

そんななか、今日も安保法案反対を訴える学生団体SEALDsが東京の外国特派員協会で会見を開いていました。
 
 
結局、賛成派と反対派のどちらが正しいのか?
 
 
数ヶ月前から考えていました。
そこで、今日は安保法案に関する自分の意見を書いていきたいと思います。 
 
 
まず、賛成派と反対派の主張を簡単に整理してみましょう。
 
 
《賛成派》
・安保法案は戦争を誘発する法案ではなく、むしろ戦争を抑止するための法案である
・昨今の国際社会において、個別的自衛権を貫き通す方がリスクが高い
徴兵制を採ることはないので、この法案成立で一般国民が戦争へ行くことになるという主張は誤っている
 
《反対派》
・多数の自衛隊員が海外へ出動されて人員不足になった際、一般国民が戦闘に駆り出される可能性がある
・国民への説明が不十分ななか、強制的に可決の方向へ持っていくのは民主主義に違反している
・まず、憲法の改正から進めていくべきである
 
 
 
まだまだ挙げることができる意見はありますが、とりあえず主な主張はこんな感じでしょう。
 
 
まず結論からいうと、僕はこの法案には賛成です。
 
 
 
安保法案は、集団的自衛権を認めているというのが一番大きなポイントですが、他にも武器の使用基準を緩和していたり、自衛隊の活動範囲の拡大なども盛り込まれています。
つまり、簡単にいうと日本の自衛隊をもっと強く、かつ動きやすくするための法案ってわけです。
 
 
 
こう聞くと、当然
 
「こんな法案を成立させるってことは、安倍政権は戦争をやりやすい国にしていきたいと思っているんじゃないいか?」
 
 
って思いますよね。
僕も最初はそう思っていました。
 
 
たしかに、この法案が成立すれば、戦争をやりやすい環境になることは間違いありません。
じゃあ、この法案はやっぱり成立すべきじゃないのではないか?と考えます。
 
しかし、この法案の本来の目的はなんなのでしょうか?
 
 
安倍首相は、先日(といっても確か先々月くらい)の報道ステーションでこのように述べていました。
 
「世界の情勢は変わってきており、中国や北朝鮮が武力を使って日本やアメリカに攻め込んでくる可能性がある。仮に、日本に攻め込まれた時は、日米安全保障条約によりアメリカが助けに来てくれる。しかし、逆にアメリカが攻め込まれた時、日本はなにもすることができない。つまり、自分の家で起こった火事は消しに来てくれるよう頼むけど、隣の家で起こった火事はこっちに飛火してくるまでは消しにいかない。このような状況に陥れば、日米の関係が弱まり、却って日本が攻め込まれるリスクが増大する」
 
 
 
この主張は、僕も正しいと思いました。
自分は他国に助けてもらうけど、他国の問題は他国が解決して。ってスタンスじゃ国際的な地位を確保するのは難しくなることは誰でも分かりますよね。
 
 
事実、先進国のほとんどは集団的自衛権を容認しています。
そのなかで、GDP3位の経済大国である日本が個別的自衛権を貫くのは、国際法上異常だというのです。
ウォールストリートジャーナルでも、安保法案が衆院通過した際に「日本がやっと正常化する」といったニュアンスの記事が書かれています。
国際的に協調して、日本に攻撃することの脅威を北朝鮮などの国に知らせる方が安全であることは間違っていないと考えます。
 
 
 
 
 
 
 
では、この法案成立に問題点はないのか?
 
 
この法案の成立は憲法に違反するのではないかという意見があります。
憲法第9条第1項には、こうあります。
 
「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」
 
 
そして、同条第2項には
 
「前項の目的を達成するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権はこれを認めない。」
 
とあります。
陸海空軍その他の戦力を保持しないとあるのに、自衛隊が存在しています。
しかしこれは、1959年12月のあの有名な砂川判決により、個別的自衛権が認められたため問題はないとされています。
 
 
 
この判決の趣旨のなかに、こんな一文があります。
 
 
「わが国が、自国の平和と安全とを維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置を取り得ることは、国家固有の権能の行使である。」
 
この判決が出た時は今のような北朝鮮などの脅威もなかったので、必要な自衛のための措置は、日本に直接攻め込まれた場合に自衛するための措置と考えられていたのです。
 
 
しかし、今や国際情勢は変化しています。
昨今において必要な自衛のための措置をとるためには、集団的自衛権を認めざるを得ないといえます。
そのため、憲法9条の解釈に集団的自衛権を含めたのは、砂川判決、つまり1959年の最高裁の判断と矛盾していないので問題はないと考えています。
 
 
とすると、憲法を改正する手続きを踏む必要はなかったと言えます。
 
 
 
そして、反対派の意見にもある「安倍首相はもっと国民に説明すべきじゃないのか」ですが、
 
 
安倍首相は既にいくつかの番組に出演して安保法案について説明しており、調べようと思ったらYouTubeなどで簡単にその様子を見ることもできます。
国民に対する説明が足りないと一方的に主張するのは間違っています。
 
 
しかし、かといって安倍首相が説明責任を完全に果たしているかと言ったら、そうではないと思います。
もっと、
 
・早急にこの法案を成立させる必要があるほどの事態が起きつつあるのか
・国際情勢が具体的にどうなっているのか
 
 
といったことに対する説明をする必要はあると思います。
もっとも、具体的な国際情勢なんて国際上の機密事項であろうし簡単に国民に話すわけがないですが、、、
 
 
 
 
ただ、残念ながら反対派の人の多くは、単に
 
「戦争なんて反対。安倍さんは戦争に行くんですか?」
 
「勝手に決めないでくれ。」
 
「民主主義に反している」
 
 
などといった、お世辞にもよく考えた上での意見とは言えない主張をしているように思えます。
 
 
まず、一国の首相が戦争に行くわけないし、行って指導者を失ったらどうすんねんって話やし、そもそも安倍首相が首相に立候補する時点でこの法案にすると述べていたのだから、選挙の時点で安倍首相に投票しないよう呼びかけるべきではと思います。
 
 
 
以上から、僕的にはどう考えてもこの法案を否決するリスクの方が可決するリスクよりも高い上に、反対する確固とした理由があるとは言えないので、安保法案の成立には賛成です。
 
 
みなさんはどのように考えているでしょうか?