会計士の気まぐれ日記

ビジネスに関する有益な情報をお届けします。たまにただ思ったことや感じたことを書きます。

仮想通貨バブルの終わり

今日の朝から昼過ぎにかけて、あれよあれよとBitcoinの価格が下がりましたね。

3日前に56万円台をつけてから、本日は45万円ほどまで下がりました。現時点では少しだけ持ち直しつつありますが、たったの3日間で20%近くも下落したのです。

 

 

これ、高値で買った人は3日間で資産が15%〜20%くらい減少したことを意味します。一般的にトレードの世界では、投入資金の30%を失うと元に戻るのはかなり大変になると言われています。投入する資金の規模が小さければ小さいほど、失ったものを取り戻すだけで大変な苦労を要することとなるのです。ただ、「どうせまた上がるから、爆吹きするまで持ち続ける」という考えで下がっても切っていない人がほとんどだと推測します。

 

 

Bitcoinのようなトレード市場参加者の多くは、トレードの経験がそこまで長くはないいわば初心者でしょう。おそらく、相場の鉄則である「損切り」という言葉の意味を真に理解することなく、ただ「暴騰してきた」という事実だけを見て、自分の資産が何倍にもなることを夢見ながら買っている人がかなりいるはずです。

こういう人が市場にたくさんいるようなときほど、暴落しやすい状況はないと言えます。以下で簡単にその理由を説明します。

 

 

①ファンダメンタルの不安定

本日価格が下がった大きな原因のひとつに、中国がICOを全面規制したことが存在します。ICOとはInitial Coin Offeringのことで、ざっくり言ってしまえば、株式上場と同様に、新しい仮想通貨を発行して投資家から資金調達を行うことを指します。これが、中国当局が規制したため、仮想通貨全体の投げ売り合戦がBitcoinにも波及したということです。金融大国アメリカにおいても、現在ICOを実施する際はSECに登録しなければならないこととなっています。

 

 

このように、仮想通貨全体にファンダメンタルの悪材料が突然出るリスクが孕んでいるのです。まあ、そんなこと言い出したら株式会社だって倒産のリスクがあるんだから同じじゃないかとなる気持ちは分かりますが、通貨はこういった悪材料がいつ突然出てくるか分からないのです。つまり、ファンダメンタルがかなり不安定だということ。いくら中央集権を要しないブロックチェーン技術による通貨であったとしても、取引自体が国に規制されてしまえば、投資家は何もできないのです。

 

 

 

②価値の尺度が分からない、もしくは存在しない

株式や商品、通貨は、基本的に価値の尺度が存在します。例えば、株式でいえばやはり業績や財政状態、市場認知度や業界でのシェア等、価値を測る尺度がたくさんあります。そういった側面を考慮して将来性があると判断する人が一定数いるからこそ、価値が上がっていくし、ブームが過ぎて商品が全く売れなくなってしまった等、投資家の思うようなパフォーマンスとならなかった場合には価値が下がるようになっています。

 

 

通貨だって一見価値の尺度があまりないのではないかと思ってしまいそうですが、国の金利とか物価とかいろんな要素が複雑に絡み合って、価値が決まっています。

 

 

 

しかし、Bitcoinをはじめとした仮想通貨はどうでしょうか?

仮想通貨に投資を行う人は、基本的に仮想通貨自体が発揮する機能や利便さ等に価値を感じて投資しているわけではなく、ただ「将来上がるだろうから」という理由だけで買っているのがほとんどだと推測します。

つまり、仮想通貨そのものの価値の尺度が分からない、ないしは存在しないのです。

 

 

 

これが何を意味するか。暴騰の理由が、ただただ人々の狂気にしかすぎないということです。

これまで、世界では幾度となく市場の大暴落がありました。チャイナショックやリーマンショックバブル崩壊ブラックマンデーが有名な暴落事件ですね。暴落って何が引き起こすかっていうと、

 

何か悪材料がでる

売られる or 既に持ってる人が利益確定する

価格下がる

今のうちに利益確定しないとやばいと思って、もっと売られる

また価格下がる

含み損に耐えきれず、保有者は損切り

もっと価格下がる

損切り and ロスカット祭り

暴落

 

 

っていう構図です。誰がなんと言おうと、所詮そういうもんなんです市場は。人の心理でしか動いていない。

歴史は繰り返すってよく言いますが、こういった投資の世界ではまさにその言葉がぴったりのような気がします。

 

 

そして私は、この仮想通貨は暴騰するよりも暴落する可能性が高いと思ってます。ファンダメンタルが不安定だから突然悪材料が出る可能性があるし、価値の尺度が分かりにくいと、暴落したときにまたみんなが安値を探して買い漁るといったことが起きにくく、また、仮想通貨に対して新規参入者が増えることはあまり考えられないからです。仮に無知の新規参入者が増えて価格が釣り上げられても、それがますます暴落の下げ幅を増大させることとなります。

 

 

 

そもそも今の価格が適正価格なのかどうかも分からないのに、特に根拠もなしに「何倍にもなるはず」と期待して自分の大切な資産の何割も投資するのは、少し投資に必要な考察する時間を放棄してしまってるような感じがしてどうなんやろうとも思いますね。まあ、儲かったらそんなことどうでもいいんですけど、投資ないしはトレードの世界ってそゆな甘くないと思います。

みんながいいと思い出したときは、もう遅いんですよ。儲けられるのは、誰もあまり知らない時に買ってた人。今はもう少し知られ過ぎている段階にさしかかってるような気がします。

 

 

 

とはいえ、余剰資金の一部をこういう仮想通貨に変えておくのは別に否定的じゃないです。何倍にもなる可能性だってないことはないわけですし、爆発的に大儲けできるのはそれだけでかいリスクを受け入れることができた人であることは事実なので。

ただ、そこまで金持ちでもないのに何十万何百万とかかけて買って、下がったときに何年も塩漬けにするのは絶対反対ですね。上がったらいいけど、一度暴落したらまたここまで戻ってくる保証もないのに何年も待ち続けるのは、その分他のいい投資機会も放棄することになりますし。僕はもっと違った形で儲けていきたいなと思っています。

まあこれでもし暴騰が続くようであれば、自分の読みの甘さに少しだけ悔やみながら、買った人に賛辞を送りたいと思います。笑

 

 

 

今日も最後までお読みいただきありがとうございました!