会計士の気まぐれ日記

ビジネスに関する有益な情報をお届けします。たまにただ思ったことや感じたことを書きます。

決算書本を出版します!!!!

前回のエントリーで書かせていただいたとおり、今日は重大発表があります。


実はなんと!!7月24日に、ソシム株式会社さんからビジネス書籍を出版させていただきます!!!!

 

私としては初めての出版であり、嬉しい限りです。
しばらくnoteやYouTubeを更新できておりませんでしたが、実はこの半年強の間、この本の執筆に専念しておりました。いや、なんだかんだで1年近く専念していたかな。 
 
 
数年前から目標や達成したいことを紙に書き留めるようにしているのですが、見返してみるとそのなかに「25歳で本を出版する」というものがありました。
1年遅れたとはいえど、これが達成できるとは正直あまり思っていなかったので、見返して自分でも少し驚きました。 
 
とはいえ、出版が決まっただけで喜んでいても仕方ありません。できるだけ多くの方に読んでいただき、そして少しでも読んでいただいた方の学びの糧となることができて初めて喜ぶことが許されると思っています(誰に

 

 どのような方に向けて書いた本か?

本書の「はじめに」でも書きましたが、最近は会計や決算書に纏わる優良なコンテンツが増えてきています。
しかし、そこで多くの方が突き当たると思われるのが「実践」という壁です。

私自身がそうであったように、簿記・会計の知識を習得したり、決算書の読み方を勉強したりしても、いざ実物の決算書を目の前にするとやっぱりどうしても無機質な文字と数字の羅列に辟易してしまいがちです。スクリーンショット 2020-07-08 23.20.56そこで、「自力で決算書を読み解けるようになる」ためのノウハウを、実例を交えながら解説していく、ということをテーマに、本書を書き上げました。
 
そのため、本書は簿記も会計も全く習ったこともない初心者の方に向けた入門書というよりかは、「入門レベルの知識は習得したから、次は自分で実物の決算書を読めるようになりたい!」と思われている方に向けた実践本です。

具体的には、ファンダメンタルズ分析のスキルを高めるために財務三表を深く読みこなしたいと思われている株式投資家の方や、仕事で決算書を読む必要がある方、企業分析のスキルを高めたいと思われている学生・社会人等が対象になることを想定しています。

 

 この本に込めた思い

この本には、大きく2つの思いを込めて書きました。
1. 読んでいただいた方の人生を少しでも豊かにする
2. 日本の成長に少しでも貢献する
思いっきり綺麗事のように見えるかもしれませんが、超絶真面目に書いています。少しだけ、上記がどういうことなのか説明させてください。

 

1. 読んでいただいた方の人生を少しでも豊かにする

決算書を読めるようになることのメリットって何でしょうか?色々あると思いますが、例えば以下のようなものがあるんじゃないかなと思います。
 
・株式投資での勝率が上がる
・ファクトベースで物事を思考する力が身に付く
 
まず、なんといっても株式投資での勝率が上がるということがあります。
デイトレード等、短期の値動きを予測して利鞘を狙う投資スタイルをとっている場合はあまり決算書を読み込む必要はないかもしれませんが、そうではなく、会社の本質的な価値を探って中長期でのアルファを狙う投資スタイルをとっている場合、決算書を読みこなすスキルは不可欠になります。
もちろん、決算書を読みこなすことが投資で勝つにあたって十分条件となるわけではありませんが、決算書を読みこなすことで株式投資の勝率が上がることは間違いないと言えるでしょう。

そのため、本書を読まれた方が決算書を読みこなすスキルを身につけて、株式投資での勝率を上げることに繋げることができれば最高だなと思っています。また、株式投資だけでなく、「ファクトベースで物事を思考する」というクセをつけることができるという面でもすごくいいと思っています。

今はネットで簡単に色々な情報にアクセスができるようになりましたが、ネット上にはデタラメな情報が溢れています。例えば、「ソフトバンクは税金を払っていない」とか。でもあれ、実際よく決算書を見ると、もちろん色々な方法で節税を行ってはいるものの、ちゃんと納税しているんですね(詳細はまたYouTubeででも話します)。
それなのに、さも全く払っていないような記事が出回るわ、それを見た人が批判しまくるわで、結構カオスな感じになっています。
 
その中で重要になってくるのは、「ファクトの情報」をベースに自分の頭で考える能力だとだと言えるでしょう。正しい情報なのか、歪曲された情報なのかを見分ける力が益々重要になってきているということです。
 
決算書を読みこなすということも、ある意味ファクトの情報を使って自分で考えるということと同義だと言えるので、決算書以外の分野でも「ファクトの情報に触れる」という習慣が身につくことで大きなプラスになるのではと思います。
その他にも、仕事の幅が広がったり、会社を経営するスキルが身についたり等々、決算書を読みこなすことで生まれるメリットは色々あります。
 
なので、どんな形でもいいので、本書を読んでいただいた方が何らかのメリットを享受し、人生を少しでも豊かにすることに繋がればといいなと思っています。

 

2. 日本の成長に少しでも貢献する

だいぶ大袈裟なことを言っているようですが、これ結構マジなんです。
日本は、「失われた30年」と言われるように、高度経済成長期以降なかなか成長を続けることができていません。
2012年の安倍政権発足以降、10,000円を割っていた日経平均は20,000円を超える水準にまで戻りましたが、日銀がずっと掲げている「2%の物価目標」が達成されることはなく、所得水準も30年前とほとんど変わらない、という状況になっています。
こうなっていることは色々原因があります。
もちろん、高齢化と少子化のダブルパンチが経済成長の停滞に大きく影響していることは間違いありませんが、他にも「企業のリスク回避的な姿勢」があると思っています。
 
例えば、創業以来長い歴史を誇る、高収益体質の無借金企業を想像してみてください。こういった会社って、成長のために敢えてリスクをとらなくても、会社として存続できる可能性が高いと考えられますよね。
つまり、無理に資金調達等を行って、大きな投資を実行しなくてもいいと言えるのです。しかし、全く成長を志向せず、故に資金調達も行わない会社が上場する意義はあるのでしょうか?
もちろん、雇用している従業員に、「上場企業の従業員」という立場を与えることで信用を付与するという側面はありますが、こと「成長投資のための資金調達を容易にする」という本来的な上場の意義に照らして見ると、もはやそのような会社が上場している意義はあまりないのではとも考えられます。
 
そして日本には、そういった会社が存在します。それが、日本の成長を妨げている要因のひとつだとも考えられるのです。
 
では、上場企業に成長を促すためにはどうすればよいか?色々方法はあると思いますが、私は「中長期の投資を行う人を増やす」ということがひとつの解決策になりうるのではないかと思います。
中長期で投資を行う場合、投資先の財政状態や経営戦略等について真剣に考えるようになります。
そうすると、投資先の経営陣が放漫経営を行っていた場合は色々文句を言いたくなりますし、経営陣を交代させたくもなります。
要は、経営陣に会社を好き勝手に利用させたり、過度に保守的な経営を行うことを牽制させることができると考えられるのです。その他にも色々ありますが、簡単に言うと「会社経営について真剣に考える株主を増やすこと」が重要だと思っている、ということです。
 
そして、決算書が読める人が増えると、そうやって会社経営について真剣に考える人が増えて、中長期の投資を行う人も増えるのではないかと思うのです。

それにより、少しでも成長を続けるためにどうすればよいか?といったことを考える会社も増えると考えられ、ひいては日本全体の成長に少しでも繋がるのでは?と思うのです。風が吹けば桶屋が儲かるみたいな感じで。
 
もちろん上記は色々な論理矛盾も含んでいるかとは思いますが、とにかく決算書を読める人が増えることが日本全体にとってプラスになることは間違いないのではないかと思います。
そのため、本書を通じて決算書を読める人を少しでも増やし、日本を元気にしていくことに少しでも貢献できればなと強く思っています。

 

 本に関する質問や感想、DMでお待ちしております!

本書を読んでいただく中で、質問や感想等がもしあれば、下記TwitterアカウントまでどしどしDMを送ってください。全て返信させていただきます(明らかに変なメッセージ以外)。
また、今後本の内容から一部ピックしてYouTubeで解説したり、本を用いた勉強会みたいなものも開催できればなと思っています。
読者の皆様と一緒に学び合うことができれば最高に楽しいなと思うので、是非よろしくお願いします!!

以上長々と書いてしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございます!