会計士の気まぐれ日記

ビジネスに関する有益な情報をお届けします。たまにただ思ったことや感じたことを書きます。

自分の中に毒を持て

休日特に予定がないときは、1人で近所のカフェに言って読書にふけっています。今日も家をでる前、今日はどの本を読もかなと思って本棚見てたら、数ヶ月前に友達に薦められた本があったので、そろそろ読んで返さないとと思い手にとりました。

 

 

その本が、岡本太郎氏著の「自分の中に毒を持て」という本。

 

自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間

自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間"を捨てられるか (青春文庫)

 

 

 

 

自分が生まれた1993年に初版が出版されたこの本、タイトルが斬新で内容が全く想像できていなかったのでそこまで読む気はしていなかったのですが、これが読んでみたらめちゃくちゃ面白い。せっかくなので少しだけ概要と読んだ感想を書いてみたいと思います。

 

 

芸術は爆発だ」という名ゼリフを言い放った岡本太郎大阪万博の際に「太陽の塔」を作ったことで有名な芸術家です。

そんな彼は、普通の人とはかなり違った価値観を持っています。

自分がどれだけ知っているのかはさておき、最近の著名人でいうと堀江貴文氏や成毛眞氏の価値観に少し似ているのかなと思います。

簡潔に言うと、「自分のやりたいことをやり、今を全力で生きて、人生を楽しめ」ということ。

 

 

 

岡本氏は、見栄とかを張ったり、周囲からの目線を気にしたり、失敗することを恐れて自分が本当にやりたいことをやらずに人生を終える人が多いことを指摘しています。

そして、人生の中にはいくつもの選択する場面があり、だいたい①安全な道、と②危険な道、に分かれているとのこと。

例えば、自分がサラリーマンとしてそこそこの給料をもらいながら退職するまで務めるのは、極めて安全な道です。しかし、多くのサラリーマンは、「本当は退職するか他の会社に転職するかして、もっと自由な人生を歩みたい」と思っている。

事実、僕も自分が属している会社で「一度やめたいと思ったことがあるか」という質問のアンケートが出題されたとき、実に9割の人が「思ったことがある」と答えているのを目の当たりにしました。

 

 

安全な道と危険な道で迷っている時点で、その人は本当は危険な道を歩みたいと思っているのだと岡本氏は主張しています。

たしかに、安全な道が本当に自分のやりたいことなら、そんなに最高なことはないし、そもそも危険な道との選択でなんて迷いません。

して、危険な道を歩むのをやめる理由に「自分は才能がない」とか「失敗したらどうしよう」といった不安が存在します。

しかし、岡本氏はこう言うのです。

 

 

才能なんて、ない方が幸せだ」と。

 

 

このように言うのは、才能があって世間から高い評価を受けている人は、ずっとそのパフォーマンスを維持しなければならないプレッシャーに迫られる運命をたどるからだと思います。

つまり、全体的な人間としてではなく、その秀でている部分だけを見られて生きていかなければならなくなり、それはものすごく虚しいということ。

TED Talkでエリザベス・ギルバートも、「天才であり続けなければならないプレッシャーは作家を殺してしまう」といった感じのことも言っているし、

天才的な芸人の島田紳助が、世間から最も評価が高い時期に芸能界を引退したのも、自分が一生「芸能人の島田紳助」でいるのは嫌だったからなのかと思います。

 

 

そう考えると、下手だったり才能がない人は、思いっきり自由にできる。そもそも周囲からの評価なんて気にする必要もないからです。

でも、才能がないと不安を感じて閉じこもってしまい、自分のやりたいことを貫くことができなくなってしまう人が多いのが事実です。でも岡本氏は言います。「それでもいいからやれ」と。

文中で、このようなことを言っています。

 

 

「独自に生きたくても、現実には難しいと思うかもしれない。でも、その矛盾と闘わなければだめなんだ。闘えばそのことの中に自分の生きがいが発見できる可能性は大きいのだ。」

 

 

このように、本書で岡本氏は、「社会からの矛盾と闘え」と何度も言っています。

一流企業に勤めていたのにやめて起業すると言い出したら、家族や周囲の人から

 

 

「何で今でも十分給料もらってるのにやめるの?」

「そんなリスクの高いこと、しない方がいいよ。」

 

 

と言われるかもしれないし、会社をやめると言ったら

 

 

「何でこのタイミングでやめるんだ?」

「君は恩というものを知らないのか?」

 

 

等のバッシングを受けるかもしれない。

特に日本では、普通とは違うことをしていたら変な目で見られたり嫌われたりする可能性が高い。それでも闘えと言うのです。

 

 

はっとさせられるものがありましたね。自分も、知らず知らずのうちにサラリーマンの環境に慣れて甘えきってるんじゃないか?と思ったのです。そりゃ、仕事のパフォーマンスがどうであれ、そこそこの給料を毎月ちゃんと払ってくれるなんて、これ以上楽で幸せな環境なんてないです。でも、そんな安定しきった生活を続けていて、本当に面白みのある人生になるのでしょうか?

自分の本当にやりたいことを貫き通すために、一瞬一瞬を全力で生きる。そんな爽やかな人間になりたいですね。

 

 

 

この本は、また少し期間が空いたら読み返してみたいと思います。また違うことを感じるかもしれない。

それくらい深みのある本でした。読んでて不思議な気分になります。

他にも恋愛のこととかも書かれていて、めちゃくちゃ面白いです。

ぜひご一読ください。

 

 

最後まで読んでくださりありがとうございます。