会計士の気まぐれ日記

ビジネスに関する有益な情報をお届けします。たまにただ思ったことや感じたことを書きます。

人を動かす方法

なぜ、アップルは世界のトップ企業なのか?

 

 

なぜ、キング牧師のたった一回のスピーチが全米の人々を動かしたのか?

 

 

なぜ、孫正義氏はソフトバンクを一代で巨大な企業へ発展させられたのか?

 

 

 

僕はたまに、英語と触れ合う時間を作る意味合いでTEDを観ています。まあ、観てるっていっても毎回違う人のスピーチを見ているわけではなく、何人かの素晴らしいスピーチを何度も聞いているといった感じです。そして、その中の一人のスピーチがめちゃめちゃ好きで、ものすごく大事なことを言っています。今日はそのスピーチを通じて思ったことを共有させていただきたいと思います。

 

 

そのスピーチのスピーカーの名は、Simon Sinekです。

彼は、「How great leaders inspire action(優れたリーダーによる動機付けの方法)」という題目でスピーチを行いました。そして、そのスピーチのなかで、なぜ、ごく一部の優れたリーダーは多くの人に刺激を与えるのか?ということについて語っています。少し実際のスピーチの内容とはニュアンスを変えますが、このスピーチのエッセンスを今日は僕なりに紹介してみたいと思います。

 

 

 

まず、彼は、人の属性を3つに分類した図であるゴールデンサークルというものを紹介します。

以下が、彼の言うゴールデンサークルです。

 

 

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それぞれの分野ごとに分けて簡単に説明すると、

 

①What→自分が何をやっているかをわかっている人

工場で働いている人は、自分が工場でものづくりをしていることは絶対理解しているし、僕も、自分が会計士として監査をやっていることはわかっています。主婦の人は自分が子育てをしていることもわかっているし、自分が何をやっているのか分かっていない人は基本的にいませんよね。つまり、ここのゾーンは100%の人が当てはまります。みんなこのゾーンには属しています。

 

 

②How→自分がどのようにやっているかをわかっている人

仕事をするにしても、会社を経営するにしても、自分がやるべきことについてのベストの方法を知っている人がいます。どのようにすれば自分の会社の売上を伸ばすことができるか。どのようにすれば最適な組織設計をできるか。どのような仕組みをつくれば差別社会を減らすことができるか。このように、自分が何をやっているかだけでなく、どのようにやっているかをきちんと理解している人が一定の割合でいます。

 

③Why→自分がなぜそれをやっているかをわかっている人

そして、ごく少数の人が、自分が起こす行動の理由・意図をしっかりわかっています。例えば、ただ電話を作って儲けたいがために会社を興すのではなく、自分が発明が好きで好きで仕方なく、その発明でいろんな人の訳に立ちたいという思いがあるから、電話会社の起業という手段を選ぶ。これは、自分がやっていることの理由をきちんと理解している人の行動です。しかし、この分野に属する人はごくごく少数の人しかいません。

 

 

そして、一般の人は、このゴールデンサークルを、Outside in(外から内へ)の形で捉え、人に感動を与えられるような優れた人はInside out(内から外へ)の形で捉えています。

どういうことか想像つかない方もいらっしゃると思うので、ある証券会社に就職したA君を例に、思考プロセスn考えてみましょう

 

Outside inの場合(What→How→Why)

A君は去年大学の単位も真面目にしっかりとり、周りと同じように就活をやり、そこそこの収入のある証券会社から内定をもらった。ブランドもあるし、稼ぎもそこそこいいから、そこへ行こうと決めた。

入ってからは、どのように働けば効率的で素晴らしいパフォーマンスを発揮できる方法を見つけられるかと日々模索していた。上司との良好な関係も、どのように築くことができるか考えていた。

しかしある日、「自分はなぜこの仕事をやっているのだろう?」と考えるようになった。稼ぎたいから?ただなんとなく義務感があるから?よくわからないままもう3年が過ぎてしまっていた。

 

Inside outの場合(Why→How→What)

A君は大学でしっかり単位をとっていて、いよいよ就活のシーズン。どこの企業に行けばよいのかを考えていた。自分は、積極的で、人への貢献欲が強い。そして、将来世界がどのような事態になっても、自分で稼ぐことができるような力をつけ、その稼いだ金で多くの人に貢献したいと考えていた。

じゃあ、自分で稼ぐ力を身につけるにはどうしたらよいか?経済的な自由を得たいのなら、世の中のお金の仕組みを知らないといけない。となると、自分はお金の仕組みを身をもって勉強できるような職種・業種を選ぶべきだ。

これを達成できるベストな職種・業種は、証券業務だ。投資に対してより身近になることができるし、将来の自分で稼ぐような力を身につけることができるようになる。そして証券業務ができるのは証券会社だ。だから、証券会社へ行こう。

 

(❇︎これはあくまで一例であり、別に証券会社に入ったから稼ぐ力が身につくわけではないので誤解はしなように。)

 

 

どうでしょうか?

全然違いますよね?

そして、経営者などのリーダーになればなるほど、このOutside inInside outの差は如実に現れます。

 

・もしスティーブ・ジョブズが、電子デバイスの開発には特に興味がない超一流のプロコンサルタントだったら、アップルは世界のトップ企業になっていたでしょうか?

・もしキング牧師が、知人に頼まれて差別をなくすベストの方法を考えた上でスピーチを行っていたら、あのスピーチがアメリカの歴史をも動かすようなものとなっていたでしょうか?

・もし孫正義が、金儲けのためだけにソフトバンクを起業していたとしたら、今のソフトバンクは存在したでしょうか?

 

 

もはや愚問に等しいですよね。そしてこような世界を動かした人たちは、一様にInside outの精神を持っています。

つまり、彼らは自分の中に確固たる信念を持っているからこそ、人々を魅了し、動かすのです。

優れたリーダーは、素晴らしい製品や、それを生み出す方法・ノウハウをアピールするのではなく、自らの信念をアピールすることによって、人々を動かしているのです。

そして、その信念に共感した人は、同じような信念を持ち、またその人に共感してく人が現れ、その信念は伝染していく。このようにして、影響力のある人や、人・世界を動かす人が生まれるんです。

 

 

だから、より多くの人に対して感動や刺激を与えて動かすためには、まず自分の行動ひとつひとつにブレないWhyを持つことが大切なのです。

 

 

ブレないWhyってのはなかなか見つけるのが難しいです。それは意識的に探さないとだめなんですね。スティーブ・ジョブズの言葉を借りると、「Keep lookinng, don't settle.」ってことです。

 

最後まで読んでくださりありがとうございました。