会計士の気まぐれ日記

ビジネスに関する有益な情報をお届けします。たまにただ思ったことや感じたことを書きます。

FinTechって何?その①

最近結構耳にする「FinTech(フィンテック)」というワード。

よく耳にするけど実は何のことか知らないってものは世の中に結構あったりするものですが、このFinTechもその中のひとつだって方も結構いるんじゃないかと思います。

実は自分も最近までその中の一人でした。

そこで、今日はFinTechとは一体何なのか、FinTechによって世の中がどのように変わっていくのかということを非常に簡単に説明していきたいと思います。

 

なお、今回と次回の記事はこの本を大いに参考にさせてもらっているので、興味のある方は是非ご一読ください。

 

 

決定版 FinTech

決定版 FinTech

 

 

 

 

まず、FinTechとは、 Finance(金融)と Technology(技術)が合成された言葉です。

ここ10年、スマートフォンの誕生等をきっかけにITの分野が非常に発達してきました。

これに伴い、ITの技術等を使って新しい金融サービスを提供していこうというのが、FinTechです。

最近はこのFinTechのサービスを提供するスタートアップ企業とかがかなり誕生しています。

以下で、このようなスタートアップがどのようなことをやっているのか、FinTechにより金融の未来がどのようになっていくのか見ていきましょう。

 

 

まず、FinTechサービスは主に、以下の7つのサービスに大分されます。

 

①融資・・・ソーシャルレンディングクラウドファンディング

②決済・・・モバイル決済、オンライン決済

③送金・・・オンライン送金、P2P送金

④投資・・・ロボアドバイザー、オンライン証券

⑤情報管理・・・PFM(家計簿サービス)、顧客管理、金融メディア

⑥業務支援・・・会計・労務サービス、データ分析、セキュリティ

⑦仮想通貨・・・仮想通貨決済受付サービス、仮想通貨取引所

 

今日はこのうち、①から④の投資までを見ていきます。

⑤から⑦は次回の記事で説明します。

 

まず、①の融資ですが、まず、クラウドファンディングが挙げられます。

「○○の事業を始めて、このようなことをしたい。でも、資金が不足しているから始められない」といったことは、起業をするとき等には往々にして起こりうることだと思います。

そんなとき、これまでだったら直接銀行に行って融資してもらったり、ベンチャーキャピタルに赴いて出資をお願いしたり、知人に出資をお願いしたりとかで資金調達をする必要がありました。

しかし、このクラウドファンディングにより、出資したい人と出資を受けたいい人がマッチできるようなプラットフォームを作り、出資者が事業構想に共感したりすれば出資を簡単に受けることができるようになります。

 

次に挙げられるのが、ビッグデータとAI(人工知能)による融資です。

従来の融資では、与信判断が的確に行われないために、信用力が高い人が信用力が低い人と同じような金利で借入を行うことがあったりしました。

これを解決するために、ビッグデータとAIを活用して、より正確に与信判断から貸付を行うことができるようになるのです。

 

例えば、EC(アマゾンとか)の購入履歴で支払いが滞りなく行われているかとか、SNSで友人が何人いるかとか、どのような友人がいるか等も与信判断の材料として使われるようになり、それを人工知能によるビッグデータ分析により貸出の可否判定や利率を自動的にはじき出すといったようなことが可能になります。

 

 

次に、②決済について。

これは、主にクレジットカードの加盟店に大きなメリットがあります。

例えば、今なんかの店を営業してて、クレジットカード決済を導入しようとした場合、クレジットカード会社の事前審査を受けて、それに通れば専用のカードリーダーを使ってカード決済ができるようになります。

そして、顧客が決済した後実際にカード会社から代金が支払われるまでの期間、つまり入金サイトはだいたい1ヶ月以上かかります。

 

 

これが、Sqare等のFinTech企業により大きく変わります。

まず、事前審査がかなり簡潔に、もしくはなくなって、途上審査になります。

導入時の審査はすぐ通る代わりに毎回の決済状況をモニタリングし、異常があったら即決済機能を止めることでリスクを回避しているということです。

 

また、専用のカードリーダーを用意する必要もなく、数千円で購入できるイヤフォンジャック型のカードリーダーをスマホに差し込むだけで決済することができるというメリットがあります。

入金サイトも早ければ翌日になるため、導入コストも低いことも考えれば今後日本でも多くの業者がスマホでカード決済するようになってくるだろうと考えられます。

 

 

次に、③送金について。

海外送金ってかなりの手数料がとられますよね。

小口の送金とかだったら特に。

これだと留学している子供に送金したりするのにかなり負担が増えてしまいます。

 

これも FinTechが解決してくれます。

Skype等、世界中の人々がマッチングできるようなアルゴリズムは既に存在しています。

それを活かして、例えば日本にいるAさんがアメリカにいるBさんに100ドル送金したい場合、アメリカから日本に1万円送金したい人達をマッチングさせるのです(1ドル100円の場合)。

そしたら、アメリカにいる日本に送金したい人がBさんに100ドル送金し、Aさんがアメリカから送金を受ける予定の人に1万円送金すれば、すべてが国内送金となるため、格安の手数料で済むことになります。

 

 

最後に、④投資について。

投資の分野で大きな影響を与えるのは、ロボアドバイザーです。

株式投資を例に見てみましょう。

 

一般的に、株式投資ではリスクを分散するための手法として、関連性のあまりない複数の銘柄を同時に投資する、つまりポートフォリオを作ることがあります。

しかし、あまり投資に馴染みのない一般投資家等は特に、どのような銘柄を組み合わせてポートフォリオを組めばいいのかって結構難しい問題だったりします。

 

そこで、ここでもビッグデータと人口知能を活用して、投資の経験はどのくらいか、投資予定額はどの程度か、資金の将来用途はどうか等の質問に答えるだけで、どのようなポートフォリオを組めばいいかをロボットがアドバイスしてくれるのです。

例えば、リターンは低くてもいいからリスクも低くしたいという人には、ボラティリティーが低く、外部要因に値動きがあまり左右されないような銘柄を選定してポートフォリオを組んでくれたりします。

 

このようなサービスを提供することにより、より民間人が投資を積極的に行うことが可能になるため金融機関、日本経済にとっても大きなメリットがあると言えます。

 

 

 

FinTechについてかなりざっくりと説明してきましたが、今日はここまでです。

続きはまた次回の更新をお楽しみに。