会計士の気まぐれ日記

ビジネスに関する有益な情報をお届けします。たまにただ思ったことや感じたことを書きます。

スカイマークについて

みなさんご存知の通り、先月、航空会社であるスカイマーク民事再生手続開始の申立てを行いました。

 
 
 
民事再生手続とは、会社の再建を図るために、裁判所と共に再建計画を作っていくことで、この手続きで買掛金などの債務の返済を一旦ストップしたり免除したりすることができます。
 
 
 
ちなみにスカイマークは、今月1日をもって上場廃止となっています。
 
 
さて、なぜこのような事態になったのでしょうか?
 
 
ざっとスカイマークの第19期第3四半期財務諸表を見てみました。
 
まず貸借対照表を見てびっくり。
 
 
現金及び預金の残高が、平成26年3月31日から同年12月31日までの9ヶ月間で63億3,500万円も減少していました。
 
営業未払金(買掛金)と未払費用が合計76億3,100万円もあるのに、現在の現金残高は7億3,000万円しかないという過酷な状況です。
 
 
 
スカイマークの四半期報告書で開示している情報によると、スカイマークは国際線事業への参入を目指してエアバスA380型機の導入を予定していたのに、その契約をエアバス社に解約されてしまい、その契約の解除について多額の解約違約金の支払いを求められているとのこと。
 
 
契約を解除されたのは、スカイマークの支払いが滞っていたからだそうで、違約金は約7億ドル(約840億円)にも上る可能性あるとみられています。
 
 
 
違約金を支払う前の現在ですら、現預金が7億しかないのに、こんな額払えるわけないやろって感じですよね。
 
 
 
そんなこんなで、スカイマークは現在、継続企業の前提に重要な不確実性が認められる(会社がこのまま続くかどうかほんまにわからん。って状態)と自身で表明しています。
 
 
 
現預金がこんなに減少してしまった原因は、
 
エアバスA380型機購入前払金
エアバスA330〜300型機の導入にかかる航空機部品及び設備投資
③その他の有形固定資産の取得
④納税
 
 
 
 
だとのことです。
 
 
 
 
 
スカイマークが資金調達のために必死なのは、貸借対照表を見れば痛いほど分かります。
 
 
機会及び装置、車両運搬具がかなり減少しており、その代わりにリース資産が増えているので、多分セールアンドリースバックしたんやと思います。
 
セールアンドリースバックっていうのは、資産を一旦リース会社に売却し、その資産に対してリース契約を結んで資産を使用し続ける取引のことを言います。
 
 
実質的にこの取引は、売却した資産を担保とした資金の借り入れと言えますよね。
 
 
しかし、流動負債は膨れるばかりです。。
 
 
 
キャッシュが行き詰まるだけで、こうも経営が苦しくなるもんなんですね、、、
 
 
 
こんな苦しい状況にあるスカイマークを助けるために、ANAを筆頭に複数の会社が出資を名乗り出ていますが、果たしてスカイマークは再建可能なのでしょうか?
 
 
僕はちょっと厳しいんちゃうかなと思います。
 
 
その理由としては、
 
 
ANAなどの航空会社がちゃんと支援してくれるか分からない(ANAは、支援する大きな理由として、スカイマークが仮に再建できなかったとっしても、スカイマークが保有する羽田発着の便を自らのものにすることができることが挙げられるのに、国交相が、それはさせないよと表明したから)
 
②経営者の資金管理のずさんさが否めない(為替を意識しているとは思えないし、資金面を考えた上での設備投資とは言えない)
 
 
 
 
 
資金繰りってほんまに大事やなと改めて痛感しています。 
 
 
キャッシュフロー計算書を直接法(資金の流れをより詳しく記載する方法)で一本化するべきやろどう考えても、、、